有限会社アトムグラフィックス 工事状況公開
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天井は高く、そして杉板張り。写真1 住宅の天井というものは、だいたいにおいて2400ミリ近くが標準になっています。これはボード類の長手方向の8尺、すなわち2400ミリまでにしておけば一枚で張り上げられて手間や材料コストがかからないという理由が一番のようです。構造的には、もっと上まで天井をあげることも可能ですし、身長が高い住人ならば、2400ミリという天井高さはちょっと窮屈に感じるでしょう。今回は、リニュウアルに際してすべての天井高さを高くします。パウダールームではこれまで2300ミリ高だったものを300ミリプラスの2600ミリにします。また天井材は15ミリ厚の杉板仕上げ。あえてさねなしの突きつけ張りにしました。経時変化で隙間が開くことが自然なように思えたからです。ここは2階の床板が天井板であるという意匠をとっています。ヨメの実家の100年前の旧家は、2階床板にさねはついていませんでした。「動く」ことで隙間ができる、それが自然に思えたのです。 梁、桁を再現します。 杉板を張り込んだ天井はそれだけでは平面的です。平面で構成された天井でもスッキリしているでしょうが、梁や桁の構造材が表れてくれば変化に富んだ立体的な天井面となます。陰影が生まれれば、少しの隙間も木材の多少の動きも表情になるのでは無いかと考えます。そして素朴と味と仕事の手の跡が醸し出す楽しい空間が期待できます。風呂に入りながら、この立体的な天井と前のページの斜の階段側板を愛でたいと思いました。
厚い杉無垢板の洗面カウンター 洗面カウンターも大工さんの手仕事で作ってもらいました。これは宮崎産の杉の無垢板に、寸法安定処理という加工をしました。我が家には20年前からの栃(とち)の無垢板テーブルがありますが、これは今でも一年中湿度によってあばれまわっています。用途によってはこの無垢板のあばれは許せないものです。今回、洗面カウンターはお世話になっているコシイプレザービングが開発した特殊な寸法安定処理を施してあります。背板を壁面に固定するので動いてもらっては困るからです。厚さは90ミリあり、普通だったら割れ、ゆがみが起こるものです。背板とカウンター水平面を組み合わせてありますが、ぴったりと安定し、動いていません。木の変形は素早く、何週間も経ってから動くというものではありません。こういう使い方には寸法安定処理は不可欠です。しかも杉が使えるのは、効果で希少なチークや銘木類を使うことよりいかに現実的であることか!デザインスケッチの段階からこのカウンターの設置を決めていました。
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