有限会社アトムグラフィックス 工事状況公開
大工さんや左官さんの「手技」と木材保存技術で取り組んだ建築意匠の力を見てください。
 パウダールーム編 4 手刻み階段
 パウダールーム 2/04〜4/4

 キッチン 3/25〜

 キッチン 3/30〜
 オフィス
 ビルトインガレージ
 エクステリア

 

 

 

 

 
 
 
 
 

 

 

この階段をかけ変えます。写真1

タイル工事と併行して、デザインの要(かなめ)になる階段に取りかかってもらいます。上段の写真の階段は大手住宅建材メーカーの製品階段です。表面のみが本物の無垢木材をはってある一般的なものです。ところが、我が家は大型犬と同居、3頭の体重の総合計は110キログラムほど。そしてその爪の破壊力は室内でアイゼンをつけて歩くようなものです。また息子が同居の時には、建てた苦労も知らずに、友人達と数人でドンドンと駆け上がり、駆けおります。結果、築後10年あまりで段板は傷付き、表面にはってある木材が剥がれ、中身の合板が露出しました。また、軋(きし)みも大きくなる一方です。ところが、この階段、カンナもあてられず、塗ることもできません。緩みも締め治しができません。補修ができないものなのです。今回は、階段を大工さんの手で刻んだ「愛せる」階段へと架け替えます。そしてこの階段は側板を見せることでパウダールームのデザイン上のアクセントとして重要な意味を持つことになります。通常、住宅には階段の側板(がわいた)のように「斜め」の動きが感じられる構成要素は無いからです。

ヒノキの無垢側板にヒノキの耳付き厚板の手刻みハシゴ階段。

階段は段板(踏む所)が50ミリ厚のヒノキの耳付き板。表面は時間をかけて大工さんがワイヤーブラシ加工で少々ラフな味のある面をつくってくれました。また、「耳付き」というのは、自然の木の端部を活かしてあるのですが、これを側板にはめ込むために大入れの欠けこみを、段板の耳にあわせて刻む必要があります。段板一枚一枚でこの部分の形が変わりますので、なかなか大変な手技です。

階段設置 写真3、4、5

刻み場で加工した側板と段板を我が家に持ち込み設置します。大工さんが一枚一枚、あて木をしながら叩いて段板を設置した側板に入れていきます。半日で設置できましたが、刻んでいた日数は1週間以上ありました。そのおかげで、良い階段ができました。いちばん下の写真はパウダールーム側から見た状態ですが、側板の斜の動きが、この空間に動きを与えてくれました。

これなら階段を愛せそうです。

 

 

 

 
 

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