インド、マーハラシュトラ州プネ市 

ゲストハウス  サイエンスアンドテクノロジーパーク

Guesthouse in Sience and Technology Park  

インドは経済成長が著しい國の一つです。アジアでは中国に継いで広大な国土と多くの人工を抱える大国です。御存じのようにITをベースにした産業構造が構築されつつあり、今後は他国からの投資、事業参入が加速度的に増えて行く事でしょう。

インドの西の大都市ムンバイから200キロの地に、学究都市、プネ市があります。産学振興の中心にあるのが国立プネ大学ですが、インキュベーションシステムによる活動拠点として「サイエンスアンドテクノロジーパーク」を運営しています。その敷地内に、木材を使った和風テイストのゲストハウスを建設し、日本からの企業誘致の足掛かりにしようという構想です。

ビジネスパートナーに恵まれたわたしは、2008年より何度かインドを訪問し、この仕事に着手しました。設計はプネ市で設計会社を運営するMr.Rajendra氏、内外観の意匠設計をわたしが担当しています。

プレゼンテーションは3D CADのArchitrendを用いました。躯体構造は鉄骨造なので、いつも設計する木造軸組より作業が楽に行えました。ただ、インチメソッドなので、ミリメソッドの設定では端数がでる事になります。それはまだ良いのですが、頭の中にインチ/フィートのアバウトな概念がなく、大きさや広さが素早くイメージできないので苦労します。また、出す図面が英語でないと通用しないのですが(当然ですが)、和風建築の単語の翻訳は四苦八苦しました。例えば腰壁(こしかべ)や露しの梁(あらわしのはり)など辞典には載ってはいませんから。

インドには木がない、また木のコストは高く、そして長期間の維持は難しい

「木がない」、これはいささかオーバーな表現ですが、それほど的外れではありません。インドを旅してみると北の山岳部を除いては真直ぐに育つ杉やヒノキのような針葉樹はありません。つまり構造材としての使用に適した木材がありません。またコストの高いチークを除いては、シロアリや腐朽菌による劣化が激しいのです。

ならば木は日本から持って行こう

和風のデザインに、木は絶対的に必要です。「コンクリートで柱を作って塗装で木を表現するか」という意見までとびだしましたが、それではあまりにお粗末な発想といわざるを得ません。結局、高耐久処理を施した木材を日本から輸出する計画になっています。これには全面的にコシイプレザービングの協力をあおぐ事となりました。感謝いたします。

外部には日本風の庭園も計画します。

的にゲストハウスの周囲には日本風の庭園の計画があります。こちらは日本から庭園施工のプロが出向き、コラボレーションとなる予定です。

現在予算取得の工作途上です。2009年4月から5月くらいの着工となる予定です。多くの日本人や外国人がここを訪れ、インドの大地に経つ平家の和風建築を目にする事が楽しみです。

 

小社のオフィス兼自宅でもコシイプレザービングの技術を使った木材でデザイン設計を進めています。(建築中、2009年6月完成予定)基本的にはリフォームですが、大工さんやタイル職人の「手」を応用したデザイン提案ができるように設計し、モデルルームとして機能させるように考えています。インド人建築家のMr.Rajendra氏も見学に来られる予定です。

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インドの建築の主体は鉄骨を柱に煉瓦を積んだ壁、それらをしっくいやモルタルで塗り込めたものです。つけ柱や腰壁、竹でできた犬夜来などで和風のテイストを醸し出して行きました。
インテリアでもエクステリアでもふんだんに木材を提案しています。インテリアには畳の休憩スペースや、割れや変形を抑える寸法安定化処理木材のつけ梁をあしらいます。

これが建設予定地です。この辺りの土地は土が赤いのですが、まさに「赤い大地」という言葉がマッチします。車がならんでいる所が見えますが、これはあの有名なタタモータースの敷地です。土の上に露天で新車がストックされているのが印象的です。

有限会社アトムグラフィックス