大阪サンケイビル   


1952年7月竣工(本館)の歴史的価値を持つサンケイビルのファサードデザインやサインシステムにたずさわったことはわたしにとって、大きな勲章です。

現在は新しい街区になり、旧サンケイビルはもうありません。「西梅田プロジェクト」により地上34階・地下3階の超高層ビル「ブリーゼタワー」が2008年7月に竣工し、階数・延床面積とも東京サンケイビルを超える最大物件となりました。現在、旧サンケイホールは新ホール「サンケイホールブリーゼ」に生まれ変わっています。

ファサードデザイン

このビルの中にサンケイホールがあります。サンケイホールはあの浜村淳さんのホームグラウンドであり、また、わたしの好きな「高石友也とザ・ナターシャセブン」の年忘れコンサートが開かれていたホールです。よもや、コンサートに訪れていた自分がこの関連の仕事をするとは創造すらできませんでした。

左の写真のアルミシルバーに輝くR形の屏風(仕事の進行中はサンケイビルの方々とともに、こう呼んでいました)はモニュメントチックではありますが、大型のサインパネルです。地下鉄の櫻橋から地上へ上がってこられる人々の目に止まるように、また、国道2号線を走る車の列から視認できるようにこんなにジャイガンティックなものをデザインしたのです。写真の中に三つのパラキートイエローやマリンブルーの三つのキューブが見えますが、これもサンケイホールのファサードを引き立たせるためにレイアウトしました。

このデザイン提案は、何枚かのスケッチ、図面とともに、1/50の街並を含んで再現した模型で行いました。この模型でさまざまな角度からの見え方をサンケイビルの方々と額を突き合わせて(ひざではなく文字どおりひたいです)確認しました。

サンケイホールロゴデザイン

同時にサンケイホールのロゴもデザインしましたが、こちらも実際にR屏風にセットされる大きさの1/2の縮尺パネルを作り、視認性や文字の分解能等を確認しながらデザインしました。後に、ビル内のホール・サイン計画も携わりました。

この作品は大阪市長賞を受賞しています。

 

有限会社アトムグラフィックス
デザイン提案に用いたスケッチ類です。上のスケッチは完成イメージに最も近いものです。
こちらのスケッチは構想時のもの、模型を使った検証(下部の左右にある2枚の写真が検証風景)も盛り込んでいます。
ビル内外のサイン計画、誘導認知フローマップ
ビル内のホール催し案内サイン